企業選びの軸を面接で聞く理由・考え方や決め方を伝授!回答の例文も紹介

就活中面接でよく聞かれる質問に「企業選びの軸」があります。企業選びの軸を考えることは、本当に就職したい企業を選定するために重要な項目でもあります。単なる面接対策としてではなく、今後の人生のために一度しっかりと検討してみることがおすすめです。

本記事では、企業選びの軸の考え方や決め方を紹介します。面接で尋ねられる理由も理解し、回答例も確認しながら、自分ならどのように答えるのか考えてみてくださいね。

企業選びの軸とは

「企業選びの軸」といっても、何のことなのか具体的にイメージできない人も多いのではないでしょうか。また、なぜ面接で聞かれるのかわからず、不安に思っている方もいるでしょう。

そこでまずは、企業選びの軸の意味と、面接で軸を聞かれる理由について確認していきましょう。

企業選びの軸

企業選びの軸って何?

「企業選びの軸」とは、「就職する会社を選ぶ上で重要視する条件」のことです。

就職先を決めるときには「忙しくてもいいからとにかく給料が高いところで働きたい」という人もいれば、「プライベートな時間を充実させたいから、給料が少々安くても、残業なしで有給がとりやすいところがいい」という人もいるでしょう。

人によって、働く上で重視するポイントは異なります。どのポイントを重視しているのかを示したものを「企業選びの軸」と呼んでいるのです。企業選びの軸を考えることは、自分に合う会社を見つけるときに役に立ちます。

企業選びの軸を企業が聞く理由

面接で企業選びの軸を聞かれることは多いものです。企業が軸を尋ねる理由は「自社とのミスマッチ採用を防ぐため」です。

厚生労働省が発表している平成27年3月の「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」を見ると、大卒で入社した新入社員が3年目までに離職している割合は31.8%にもなっています。つまり、新卒入社した人のおよそ3人に1人は3年以内に離職しているのです。

企業にとって、時間と金銭的なコストをかけて採用した新入社員が、企業に利益をもたらす前に早期退職してしまうことは、当然マイナスのことです。ミスマッチした採用をしてしまうと、離職する確率は高くなります。そのため、入社前に「就活生にとっても自社がいい環境なのか」「就活生が希望する働き方ができるのか」を確認して、ミスマッチを減らすようにしているのです。

企業選びの軸の考え方

就職先の企業を選ぶためには、軸を持って選ぶことが自分にとっても企業にとっても重要だとわかりました。しかし、軸をどうやって作ればいいのかわからない方もいらっしゃるでしょう。そこで、次に企業選びの軸を考える方法を紹介します。

考え方

自己分析をする

企業選びの軸を考えるときには、まず自分を知ることから始まります。自分を知るためには、「自己分析」をすることが効果的です。

ストレングスファインダー、エニアグラム、16Personalitiesなど自己分析の方法は様々ありますが、企業選びの軸を考えるときには「モチベーショングラフ」がおすすめです。モチベーショングラフとは、どんなときにモチベーションが上がるのか可視化するものです。横軸に幼稚園や保育園・小学校・中学校・高校・大学など時間軸を作ります。そして、縦軸にはモチベーションの高低を取り、グラフを作っていきます。モチベーションが高かった時、低かった時の出来事があれば、メモしておきましょう。

グラフが作成できたら、モチベーション高く頑張れていたとき、そしてモチベーションが落ちていたときの理由を分析していきます。

例えば、1人で集中して勉強している受験期にはモチベーションが下がっていたけれど、クラス全体の成績を上げるためにクラスメイト同士で教えあっていたときにはモチベーションが上がっていた場合。個人プレーより、チームプレイの方が合っているとわかります。

モチベーションが高かったとき、低かったときの原因を探り、自分の軸を見つけていきましょう。

インターンシップに参加する

モチベーショングラフは自分の体験を元に軸を考えていくものなので、体験していないことは軸として考えることができないことが弱点です。そのためインターンシップをすることで実際に体験しながら軸を考えていくこともおすすめです。

気になっている企業だけでなく、自分に向いているのかわからない企業も一度インターンシップをしてみることで、やりがいを感じられるのか、自分に合っているのか、それとも自分には合っていないのかわかるでしょう。また、実際に働くことで「定時に帰宅できる方がいい」「尊敬できる先輩と働ける環境がいい」などこれまでは知らなかった軸が見つかるかもしれません。

軸を見つけるために行なう場合、長期インターンシップではなく、短期のものやサマーインターンシップでも十分です。効率よく様々な企業を見られるように計画を立ててくださいね。

OB・OG訪問をする

OB・OG訪問をすることも、自分の軸を見つけるのに効果的です。OB・OG訪問をすることで業界の働き方や、働いている人の考え方を知られます。働き方や考え方を知ったときにどう思ったのかを分析していくと、軸が見つかることも多いものです。

例えば、「IT業界はドッグイヤーと言われるくらい、技術の進化が速いから常に勉強していないといけない」と聞いた時。「次々に新しい技術が出てくるのは面白いだろうな」と思うのか、「常に勉強するのは嫌だな」と思うのかで、「最先端の技術に触れられる」「変化が少ない環境がいい」など自分の軸がわかるでしょう。

また、インターンシップは期間が決められていることがほとんどですが、OB・OG訪問は時期にとらわれず行えます。気になる企業や業界がある場合は、OB・OGを探し、アポイントを取ってみてはいかがでしょうか。

企業選びの軸の例

企業選びの軸を決めるときには、「他の人は何を企業選びの軸にしているのだろう」と気になることも多いでしょう。次に、企業選びの軸として、よく挙げられる例を確認してみましょう。

例文

給料

多くの人が企業選びの軸としているのは「給料」です。給料が高いところと、低いところがあれば当然給料が高いところで働きたい人が多いでしょう。

初任給はいくらなのか、ボーナスはあるのか、出張手当や残業代は出るのかなど確認する人も多いもの。

企業側も給料を軸として考えている人が多く、上記のようなボーナスや手当に関心があることはわかっています。質問したら快く答えてくれるでしょう。

しかし、面接のときに軸を聞かれたときに「給料」だけ答えるのはあまり印象がよくありません。「この人は、給料が高かったらどの会社でもいいのかな」と思われてしまいます。答える場合は他の軸も付け加えた上で最後に伝えるか、雇用条件に関する軸はあえて伝えないこともおすすめです。

福利厚生

「福利厚生」も企業選びの軸として挙げられることも多い項目です。福利厚生には、法定福利厚生と法定外福利厚生の2種類があります。

法定福利厚生には、雇用保険や健康保険などの社会保険料があり、企業に就職した場合必ず含まれている基本的な福利厚生です。企業によって違いがあるのは法定外福利厚生の部分。住居手当や家賃補助・交通費・家族手当など自社で提供されるものから、食堂や外部の宿泊施設を利用できたりなど外部サービスから提供されるものがあります。

給料が低くても、福利厚生が充実している方が、結果的に受け取れるお金が多いこともあります。福利厚生も企業選びの軸として検討してみるのもおすすめです。

勤務地

働く場所にこだわりがある場合は「勤務地」も軸となりえます。希望している場所に勤められるのか、全国転勤があるのかなど企業によって違いがあるので確認しましょう。

会社の規模

「会社の規模」を企業選びの軸にすることも、就職先を選ぶときのポイントになります。

大企業でたくさんの人と一緒に働きたいのか、それとも少数精鋭で働きたいのか考えてみましょう。

社風

「社風」は人によって希望が異なる軸です。アットホームな雰囲気がいいのか、プライベートは関わらないドライな環境がいいのかなどは、人によって違います。

どのような環境が働きやすいのか、実際にインターンやOB・OG訪問をして体感してみることで、自然と分かってくるでしょう。

成長できるか

「成長できる環境なのか」も軸として考える人もいます。

新入社員と先輩がペアになって教えてくれる制度がある、セミナーの参加費を負担してくれるなど、企業によって成長できる環境づくりは様々な方法を取っています。どのような制度があるのかもチェックしてみるといいでしょう。

企業選びの軸の回答の例文

企業選びの軸は、何があるのか、そしてどのように考えたらいいのかわかった後は、実際に自分の企業選びの軸を考えてみましょう。軸がわかったら、企業選びの軸を聞かれたときのために、回答を準備しておくとスムーズに答えられます。

最後に、企業選びの軸を聞かれたときの回答例を紹介します。最初に結論を述べ、なぜその企業を選んだのか理由を説明することがポイントです。回答例を参考にしつつ、自分なりにアレンジした答えを作れるよう、参考にしてみてください。

例文

企業選びの軸の回答の例文1

私の企業選びの軸は「魅力的な人と一緒に働けるのか」ということです。

私はこれまで数十社の企業のインターンシップへ参加しました。その時に魅力を感じた企業は、社員の方が魅力的だった企業です。

その中でも貴社の社員の方は、業界トップクラスの技術があり意欲的に仕事に取り組みつつ、私のような学生にもわかりやすく丁寧に教えてくれて、人としてもとても魅力を感じました。

尊敬できる方が多い環境で働き、先輩方から学ぶことで、自分も魅力のある人間になりたいと考えています。

企業選びの軸の回答の例文2

私の企業選びの軸は2つあります。1つ目は「やりがいがある仕事」。2つ目は「アットホームな社風」です。

私は自分の興味があることや、難しいことに挑戦することにやりがいを感じます。貴社の事業はまだ経験の浅い私にとって最初は苦労することがあるとは思いますが、難しいことに挑戦することが好きなことや、興味がある分野なのでやりがいを感じながら働けるのではないかと考えています。

また、私は会社のメンバーが、友達よりも会う時間が長いため、アットホームな雰囲気を重視しています。貴社のこれまで面接やOB・OGでお会いした社員さん達はとても仲がよく、プライベートでも家族ぐるみで会社のメンバーと交流していることを伺いました。私も何度か食事をご一緒させていただきましたが、皆様とても温かく接してくれたので、貴社はまさに私が理想とする環境だと感じました。

企業選びの軸の回答の例文3

企業選びの軸として最も重視しているのは「社会貢献ができるのか」ということです。

私は幼い頃からアトピーで薬の服用が欠かせませんでした。大人になったら、自分のようにアトピーで苦しんでいる人を助けたいと思い、薬の研究ができる職に就きたいと思うようになりました。

貴社は、私が1番よく利用していた薬を開発した企業です。私も、貴社の一員として、苦しんでいる人を救えるような薬を作り、社会貢献したいと考え、貴社への入社を志望いたしました。

企業選びの軸をしっかり決めて就活に挑もう!

企業選びの軸を考えることは、単なる面接対策ではなく、入社後満足して働けるのか、自分の満足度にも繋がる大切な項目です。

給料・福利厚生・勤務地・会社の規模・社風・成長できる環境かなど、企業選びの軸となり得るものはたくさんあります。どの軸を最も重視するのか、そしてなぜその軸を大切に考えているのかを理解し、面接で聞かれたときの回答まで準備しておくと安心です。

まずは、モチベーショングラフを作ったり、インターンシップやOB・OG訪問をしたりすることで、自分の軸は何があるのか考えてはいかがでしょうか。

また、あなたの就活をサポートしてくれる就活サービスが数多く存在しています。自分に合った就活サービスを見つけ、有効に活用することで、あなたにとって最高の企業選びに役立てていきましょう。

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