「企業選びの軸」一覧で紹介します~面接聞かれたときの例文あり~

一つの就職したい企業だけを応募するのではなく、落ちた時やミスマッチを防ぐために複数社の企業に応募するのが定石です。これは高校受験や大学受験と同じです。複数の企業に応募するのにもどこの企業でも良いというわけではありません。「企業選びの軸」をしっかり持つことは、企業を選択することで自分のやりたいことや働く上で大事にしていきたいことを把握することができ、自己分析にもなります。

また面接でよく聞かれる質問のひとつでもあります。

本記事では、企業選びの軸の考え方や、面接で質問されたときの回答例も紹介していきます。

企業選びの軸とは

企業選びの軸とは具体的にどのようなものなのか、なぜ面接で聞かれるのかを確認しましょう。

企業選びの軸って何?

「企業選びの軸」=「就職する会社を選ぶ上で重要視する条件」

就職先を決めるときには「たくさん働いて、たくさん稼ぎたい!」「お金より休みがちゃんと取れたり残業がないところがいい」など人それぞれの希望があると思います。

その人によって異なる働く上で重視するポイントの、どのポイントを重視しているのかを示したものを「企業選びの軸」と呼んでいます。

企業選びの軸を面接で聞く理由

なぜ企業が面接時に企業選びの軸を聞くのでしょうか。それは自社とのミスマッチ採用を防ぐためです。

厚生労働省が発表している平成31年度3月の「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」を見ると、大卒で入社した新入社員が3年目までに離職している割合は31.5%、短大卒では41.9%という結果が出ています。つまり新卒入社した人の3人に1人以上が3年以内に離職しているのです。

企業は採用に向けて、時間や金銭的コストをかけています。そのコストをかけて採用した社員が早期退職してしまうことは、企業に十分な利益をもたらす前なのでリターンがなく、マイナスとなってしまいます。ミスマッチな採用は早期退職のひとつの原因のため、入社前に「この就活生にとって自社は良い環境なのか」「就活生が希望する働き方をできるのか」を確認してミスマッチを減らすようにしているのです。

企業選びの軸の考え方

人それぞれ異なる企業選びの軸はどのように考えれば良いのでしょうか。

企業選びの軸の考え方1:自己分析

まずは自分はどんなことを大切にして働きたいのかを明確にするため「自己分析」することが重要です。

企業選びの軸を考えるときにおすすめの自己分析方法は「モチベーショングラフ」。これはどんなときにモチベーションが上がるのかを可視化するものです。横軸に幼稚園・保育園から大学・短大などの現在までの時間軸を作ります。そして縦軸にはモチベーションの高低を作り、グラフを作成します。モチベーションの高低だけでなく、そのときに起きた出来事もメモしましょう。

グラフが作成できたら、モチベーションが高い時と低い時の理由の分析を行います。例えば、1人で黙々と作業する委員会活動はモチベーションが下がっていたけど、クラスのみんなで話し合いながら作業する行事の活動はモチベーションが上がっていたのであれば、個人プレーよりもチームプレイの方が自分に合っているとわかります。

なんとなく楽しかった、つまらなかったではなく、その要因を探り、自分の軸を見つけていきましょう。

また、自己分析は行動していく中で変化する場合もあります。インターンシップへの参加や企業の求人情報を見ながら常に自己分析をすることを心がけましょう。

企業選びの軸の考え方2:インターンシップ

モチベーショングラフは自分の体験を元に考えていくもののため、体験していないことは軸として考えることができません。そのためインターンシップに参加しながら自己分析を行い、企業選びの軸を考えていきましょう。

気になっている企業だけではなく「今考えている条件に6割くらい合っている企業には全部参加する!」という気持ちでインターンシップに参加すると、自分の得意不得意、やりがいを感じるかを確かめることができます。また実際に働くことで一緒に働く人の人柄や実際の働き方を知ることもできます。

軸を見つけるためにインターンシップに参加する場合、長期ではなく、短期のインターンシップや企業説明会への参加でも十分です。効率よくたくさんの企業を知ることで企業選びの軸を考えましょう。

企業選びの軸の考え方3:OB・OG訪問をする

OB・OG訪問をすることで業界の働き方や、働いている人の考え方を知ることができます。働き方や考え方を知った時に自分がどう感じたのかを分析していくと、軸が見えてくるでしょう。

OB・OGに自らアポイントを取るのが難しいと考える方は、インターンシップや学校の授業で出会った人に、お昼の時間など業務時間外を狙って積極的なコミュニケーションを取ることをおすすめします。

企業選びの軸の例

これからお話しする企業選びの軸の例を見て、自分の軸の参考にしてください。

企業選びの軸の例1:給料

多くの人が企業選びの軸としている「給料」。初任給や昇給制度、残業代が出るのかなどはほぼ全員が確認するのではないでしょうか。

企業側も働く人が大切にしているポイントだということを理解しているので、質問したら答えてくれますし、始めから細かく求人票に記載してある場合もあります。

しかし、面接で企業選びの軸を聞かれたときに「給料」とだけ答えてしまうとあまり印象が良くありません。「給料が高かったらどの会社でもいいのかな」と思われてしまうと不利になってしまうので、他の軸も話したうえで付け加えるか、あえて雇用条件に関する軸は伝えないようにすることもおすすめです。

企業選びの軸の例2:福利厚生

「福利厚生」も企業選びの軸として多くの人が大切にしています。実は給料が低くても福利厚生が充実しているために、結果的に手元に残るお金が多くなることもあります。働く上で「お金」を大切にしたい方は給料と合わせて福利厚生を確認することをおすすめします。

福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生の2種類があります。

法定福利厚生は、企業に就職した場合必ず含まれている基本的な福利厚生で、雇用保険や健康保険などの社会保険料があります。法定外福利厚生は企業ごとに異なる福利厚生です。住居手当や家賃補助、交通費、家族手当など就職した企業から提供されるものから、食堂や外部の宿泊施設の利用ができるなど外部サービスから提供されるものまで幅広くあります。

企業選びの軸の例3:勤務地

働く場所にこだわりがある場所は「勤務地」も軸となります。全国展開していても希望している勤務地で働けるのか、就職後転勤はあるのかなど企業によって異なるので確認しましょう。

また、リモート勤務で実際には出社しなかったり、オフィスは1つだけど営業で全国を回ったりする企業もあります。細かく知りたい場合は企業説明会などで質問することをおすすめします。

企業選びの軸の例4:会社の規模

「会社の規模」を軸にする人は大企業で働きたい!という人だけではありません。

大企業のメリットは福利厚生が充実していることが多く、いわゆるホワイト企業と言われる企業が多いことです。また、異動がたくさんあることで様々な経験を積むことができ、キャリアアップを図れます。また昇給も見込めるでしょう。

中小企業のメリットは異動が少ないため一つの業務を極めることができることです。また、人数が少ないため密度の濃い関係を築くことができます。就活での競争率が低いこともメリットの1つでしょう。

企業選びの軸の例5:社風

「社風」は人によって異なる軸です。サークルがあったり社員旅行があったりするアットホームな雰囲気の企業がいいのか、基本的には仕事上でしか関わらずにプライベートとしっかり分けるドライな環境がいいのかなど、自分に合っている社風は人それぞれです。

企業説明会やインターンシップに参加して雰囲気を感じ取りましょう。

企業選びの軸の例6:成長できる環境か

「成長できる環境」は例えば研修制度で把握することができます。1年間は先輩とペアになって仕事ができたり、半年間は部署に配属されずに一通り学ぶことができるなど様々な制度があります。セミナーの参加費や免許取得のための費用を負担してくれることも成長できる環境と言えるでしょう。

向上心が高い人だけでなく、今のスキルに不安がある人もチェックしてみると良いでしょう。

面接で聞かれたときの企業選びの軸の回答例

最後に面接で企業選びの軸を聞かれたときの回答例を紹介します。

企業選びの軸の回答:例文1

私の企業選びの軸は「魅力的な人と一緒に働けるのか」ということです。

私はこれまで10社以上の企業のインターンシップへ参加しました。その時に魅力を感じた企業は、社員の方が魅力的だった企業です。

その中でも貴社の社員の方は、業界トップクラスの技術があり意欲的に仕事に取り組みつつ、私のような学生にもわかりやすく丁寧に教えてくれて、人としてもとても魅力を感じました。

尊敬できる方が多い環境で働き、先輩方から学ぶことで、自分も魅力のある人間になりたいと考えています。

就レポより引用

企業選びの軸の回答:例文2

私の企業選びの軸は2つあります。1つ目は「やりがいがある仕事」。2つ目は「アットホームな社風」です。

私は自分の興味があることや、難しいことに挑戦することにやりがいを感じます。貴社の事業はまだ経験の浅い私にとって最初は苦労することがあるとは思いますが、難しいことに挑戦することが好きなことや、興味がある分野なのでやりがいを感じながら働けるのではないかと考えています。

また、私は会社のメンバーが、友達よりも会う時間が長いため、アットホームな雰囲気を重視しています。貴社のこれまで面接やOB・OGでお会いした社員さん達はとても仲がよく、プライベートでも家族ぐるみで会社のメンバーと交流していることを伺いました。私も何度か食事をご一緒させていただきましたが、皆様とても温かく接してくれたので、貴社はまさに私が理想とする環境だと感じました。

就レポより引用

企業選びの軸の回答:例文3

企業選びの軸として最も重視しているのは「社会貢献ができるのか」ということです。

私は幼い頃からアトピーで薬の服用が欠かせませんでした。大人になったら、自分のようにアトピーで苦しんでいる人を助けたいと思い、薬の研究ができる職に就きたいと思うようになりました。

貴社は、私が1番よく利用していた薬を開発した企業です。私も、貴社の一員として、苦しんでいる人を救えるような薬を作り、社会貢献したいと考え、貴社への入社を志望いたしました。

就レポより引用

企業選びの軸をしっかり決めて就活に挑もう!

企業選びの軸を考えることは面接対策の面だけでなく、ミスマッチな就職を防ぐ大切な項目です。

魅力的に感じた企業のどんな部分を魅力に感じ、他にはどんな企業があるのかを探して本当に自分が働きたいと思える企業を探しましょう。

まずは企業説明会やインターンシップに参加して、就活へのモチベーションを高めていきましょう。

また、あなたの就活をサポートしてくれる就活サービスが数多く存在しています。自分に合った就活サービスを見つけ、有効に活用することで、あなたにとって最高の企業選びに役立てていきましょう。

新潟でインターンシップを探しませんか?

インターンシップNiigataでは新潟県でインターンシップを探している学生に向けて、新潟県内企業のインターンシップを紹介しています。大手就活サイトには載っていない地元の企業のインターンシップにも参加することができます。

ユーザー登録をしてエントリーしてみてください!